早いものでブログを始めてからもう16年目を迎えている。記事の数も今日(7月8日現在)で2,810件に達した。
自分でいうのも何だが「継続は力なり」ですか、とはいえ肝心の内容の方はイマイチかな~(笑)。
その昔、とあるメル友さんから「文章はまあまあだけど内容は大したことない」と一刀両断にされたことがあった。
たしかに、物事を深~く掘り下げて考えるタイプではないし、はっきり言ってそういう能力もない、で、記事の内容の方もオーディオから音楽、読書、独り言までいろいろだが、やはり、広く浅くの傾向は否めない。
せめて中心となる「オーディオ」記事ぐらいは、もっとしっかりしたいところだけど、この世界には「極めて研究熱心な先達がいて、上には上がある」ことを十分承知している。
で、こんなに沢山のオーディオ記事(1,400件あまり)を恐れ気もなく投稿するなんて何とも厚かましい限りだが、「音の仕組み」にはたとえば「ケーブルによる音の違い」など変化指数が多すぎて理論的にはっきりと解明されていない事柄が多いし、各人毎の感性も大きく左右するので、素人にちょっと毛の生えた程度の自分でもこの世界で跳梁跋扈出来るんだろうと分析している。
言い換えると「リアリティ優先」のもとに実際に体験したり見聞したことを単に「現象面」だけをとらえて投稿しているだけなので後で振り返ってみると、実は「あんなことを書いたけれど、今考えると間違いだったなあ」と思う記事がいくつもある。
「あなたの記事は以前書いたものと矛盾していますよ」という指摘があっても“ちっともおかしくない”が、それがまったく無いというのはどうしたことか(笑)。
賢明な読者の方々はおそらく「どうせ読み流しだ、細かいことを言ってもキリがない。指摘するのも面倒くさいし~。」と、メディア・リテラシーを存分に発揮されているに違いないと睨んでいる。
さて、前置きが随分長くなったがそういう「過去記事とのジレンマ(板ばさみ)」の代表的な実例を挙げてみよう。
登場するのは気難しいSPユニット「AXIOM80」だ。
ちなみに、このところ「AXIOM80」関係の記事となるとアクセス数がガクッと落ちることに気付いている。
「またか!」と、うんざりする向きが多いみたいだけど、な~に構うものか、他人の思惑なんてどうでもよろし(笑)。
それはさておき、この「AXIOM80」の鳴らし方についてはこれまで散々試してきた。
ウェストミンスターの箱に容れてみたり、復刻版を低音域専用に使って「AXIOM80」をダブルで鳴らしてみたり、挙句の果てには「究極の使い方」として箱に容れずに「裸」で鳴らしてみたり。
その都度「これが最高!」といった書き方をしてきたので、今となっては恥じ入るばかり(笑)。
一例として、この「裸鳴らし」について実例を挙げてみよう。稀に見るとても熱心な方である。
解説文がこれ。
「私が高校生の頃、AXIOM80を使われていた瀬川冬樹氏がAXIOM80を絶賛されていた記事を読み、親にねだってこのSPを購入しました、もちろん、BOXもヤマハ製の指定箱でした。
SP鳴らしは、車の運転と同じで腕がいることを自覚されました。カローラは誰でも運転できますが、チューニングされたレーシングカーはそれなりの腕がないことにはその性能が発揮できません。
AXIOM80はカローラではなくチューニングされたレーシングカーに近いSPだったと今では思ってます。WEなどのSPもしかりだと思います。無謀にも、この高校生は免許を取ったばかりなのに、レーシンガカーを運転しようとしたのです。
AXIOM80は非常にならしにくいスピーカーと言われおりますが、それは超軽量コーン紙が鳴らすハイスピードな音と絶対的に出ない低音にあると思います。
ヴァイオリンを鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはない!言われる名器ですが、逆にジャズはまずならないといわれます。
数多くのSPBOXを試してみましたが鳴らしきることはできませんでした。そこで例えばアルテックの515のような、これまた軽量のコーン紙による低音ユニットを使い、でもこれも低音が出ないことで有名ですが、B&Wのノーチラスのように低音を補正すればと考え、80は弱いところを捨て、20μFぐらいのコンデンサーで低音を切って使ったところ、すべてのジャンルで素晴らしい音楽が聴けるようになりました。
その時の80は写真のようにマグネット部分でユニットを固定するという方法です。515はネットワークなしの出しっぱなしです。
私が所有する80はかなり古いオリジナルの80ですが,すべてこの写真のようにサブコーンが光っているタイプです。ただ友人がこれまた古い80を7本ぐらい持ってますが,サブコーンが光ってないとか、7本全部が違うタイプですので80はよく見ると本当に種類があるのだということが実感されます。私は光っているタイプこそ間違いなくオリジナルだと思いますが光ってないタイプも存在します。
スピーカーボックスは必要悪といわれますが、事実、ほとんどのスピーカーはバッフルもつけずに裸で鳴らすと、素晴らしい音がします。
しかしそれに気を良くしてちょっとでもバッフルを付けて鳴らすと、あれっというほど普通の音になってしまいます。このようなことは今まで何度もありましたが、それでも裸で鳴らした時、それぞれの良さはさらに発揮されるようです。
その考えからこのようにマグネットでユニットを支えるという方法を考えたつもりでしたが、この方法ははるか90年も前にWE社が使っていたことを知った時、先人の知恵の素晴らしさを知りました。」
以上のとおりだが、際立った個性を持つAXIOM80は幾多の人たちを惑わせつつ、様々なドラマを演出してくれるようで、もはや一介のオーディオ機器という立場を越えて、まるで血と肉が通っている生き物のような存在感を見せてくれる。
で、こういう数奇な体験を経て我が家での現時点での「落ち着き様」は次のとおり。
★ AXIOM80を「薄い板の箱」に収めて「ふっくら」と鳴らす。本格的な低音は、はなっから期待しない。
★ 事実、音楽ソースの8割方は駆動する「アンプ」にもよるがこれで十分聴ける。またブルックナーやオペラを聴くときはサブウーファー(100ヘルツ以下)を併用する。
以上のとおり、過去記事とは全く違う「鳴らし方」に少なからず良心の呵責を覚えている毎日だが(笑)、つい最近の「メル友」さん(東海地方)の記事によりヒントを得たのでさっそく新たな実験に取り組んでみた。
以下、続く。
この内容に共感された方は励ましのクリックを →