「迷子のままで」
若くして結婚、出産、夫の非協力、離婚、再婚、子供の虐待死、夫側もその父親からの冷たい対応の記憶・・、取調を行う婦警も育児に悩みを持つ・・。
「いまから帰ります」
映画を作る夢のために除染作業のアルバイトをする主人公、給料搾取・暴力から逃げ出して一緒に働く事になったベトナムからの技能実習生、ヘイトにより偽装離婚をして働く班長・・、
津波で行方不明の息子(の幽霊)に会えるかとタクシー運転手を続ける女性・・、
津波後の捜索で見つけた「生徒手帳」の女子高生に似た女性との出会い・・、
『「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ことを主張したいのである。
造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。 伊丹万作』
(『戦争責任者の問題』として、昭和二十一年夏に、雑誌に発表)
いろいろ考えさせられました。
(20/08/29撮影)