このあいだ、岡田暁生の本を読んでいたのだけれど、あっ、読んでいたからかな、やはり
年末、「第九」を聴く。
今度は岡田暁生の『モーツァルト』(ちくまプリマー新書 2020年9月10日刊)を読みながら聴く。
モーツァルトの天才性、時代との折り合い、父との葛藤などを読みながら、
耳では「第九」が鳴っていた。
聴いたCDは小澤征爾、サイトウキネンオーケストラの2002年の松本でのライブ盤。
音がきれいだなと思いながら、聴いた。
何か、雑味無く、どこまで音を合わせ、響かせるかに賭けているような演奏のような気がした。
やたらぶ厚くならないし、熱くもならない。じゃあ、クールか、冷めてるかと言われると
そうではない。むしろ、バランス、アンサンブルに賭ける情熱のような…。
で、そのあと朝比奈隆、新日本フィルの1992年東京文化会館ライブを続けて聴く。
あっ、居住まいを正したくなった。以前聴いたブラームスでも思ったのだが、
朝比奈隆さんの演奏は何か、包みこまれるように持っていかれる。何なんだろう。
空間がやさしく膨らむような感じ。それでいて膨らむときの緊張感が漲っている。