作者は「報道ステーション」でニュースを解説する加藤千洋。北京への思いが沁みている文章だ。八年間の中国滞在時に特派員として関わってきた出来事や外国人として町中を歩いて感じ取ったことなどが、整理されながら情感が消えていない文章で綴られる。80年代、90年代の激変する中国を、『胡同の記憶』という書名通りに時間を封じ込めながらコラムにしている。ここには現代中国の歴史が刻まれた現場がある。知識人との交流や市井の噂への聞き耳、事件へのフットワークや北京の町歩きの見聞と、大きな政治の動きと人々の日常の暮らしの双方が町の中で共存している様が感じられる。
中国に暮らす二人の日本人との出会いに見る時代の重さや、天安門事件の渦中の町中の雰囲気を伝えるコラムの一方で、鍋料理やお茶の話の楽しさもあり、それぞれのコラムがこちらの好奇心をかき立てる。
清朝末、日中戦争、太平洋戦争、共産党と国民党の争い、文化大革命から第一次、二次天安門事件、改革開放時代と現代中国の歴史の刻印が北京の街に刻まれていることが伝わってきた一冊だった。文革の傷跡と89年天安門事件に関するコラムは特に胸に残った。
それから、写真がよかった。
オリンピックに向けての開発で、さらに北京は変わっているんだろうな。北京に行ったのは三年前の夏だった。北京に行きたいという気持ちが強くなった。お盆や正月以外に行ってみたいのだけれど・・・。
中国に暮らす二人の日本人との出会いに見る時代の重さや、天安門事件の渦中の町中の雰囲気を伝えるコラムの一方で、鍋料理やお茶の話の楽しさもあり、それぞれのコラムがこちらの好奇心をかき立てる。
清朝末、日中戦争、太平洋戦争、共産党と国民党の争い、文化大革命から第一次、二次天安門事件、改革開放時代と現代中国の歴史の刻印が北京の街に刻まれていることが伝わってきた一冊だった。文革の傷跡と89年天安門事件に関するコラムは特に胸に残った。
それから、写真がよかった。
オリンピックに向けての開発で、さらに北京は変わっているんだろうな。北京に行ったのは三年前の夏だった。北京に行きたいという気持ちが強くなった。お盆や正月以外に行ってみたいのだけれど・・・。