共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

最大の特徴

2011年09月08日 20時04分12秒 | 日記
このヴィオラ・ダモーレという楽器の最大の特徴は、写真にあるように弦が二階建てに張ってあるということです。実際に演奏するのは上側に張ってある方の弦です。

じゃあ下の弦は何なのさ…という疑問が湧くかと思いますが、この弦は共鳴弦といい、上の弦と同じ調弦をしておいて上の弦を弓で弾くと共鳴してファ~ン…と、えもいわれぬ妙音(間に『な』なんていう字をいれないように)が鳴るんです。

こんな機能を持つ楽器になるに至ったのは、一説にはイギリスが発祥だと言われています。かつて大英帝国は『日の沈まない帝国』と言われたように、世界各地に植民地を持っていました。その中で重要な国の一つにインドがあったわけです(紅茶や胡椒の一大産地でしたから)。

で、インドにはシタールのように共鳴弦のある弦楽器(インド的なBGMなんかを聞いていると聞こえるビヨヨヨヨ~ン♪と金属的な余韻が伸びる感じの楽器)が古くから存在していたのですが、それに現地在住のイギリス人が興味をもって、自分達の文化圏にあった小型のヴィオラ・ダ・ガンバに共鳴弦を張ってみた…ということらしいのです。

この楽器は『イングリッシュ・ヴァイオレット(イギリスの小型ヴィオラ)』という名前のものでしたが、6~7本の演奏弦に対して10本前後の本数の大量の共鳴弦がありました。しかし、はっきり言って調弦が超めんどくさいことから、さすがに「そんなにいっぱい共鳴弦いらなくね?」ということで整理された形として成立したのがヴィオラ・ダモーレ…というわけです。

しかし、昔の人達って優雅だなぁ…って思いませんか?成立当初から比べて減ったとは言え、私の持ってるモデルだと奏弦7本+共鳴弦7本=計14本チューニングしなければならないわけですから…。

因みにイングリッシュ・ヴァイオレットの写真を見たい方は、『イングリッシュ・ヴァイオレット』で検索すると、浜名湖か武蔵野音大の楽器博物館の画像が閲覧でき、とてつもない楽器が写し出されます。興味本位のこわいもの見たさで御覧下さい。
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第三の子

2011年09月08日 18時23分23秒 | 日記
ごめんなさい…今まで隠し立てしていたわけではないんですが…実は私には…ヴィオラとヴァイオリンの他に…もう一人娘がいたんです!(昼ドラか…)

冗談はさておき(オイ…)それが写真に撮った楽器『ヴィオラ・ダモーレ』という古楽器です。だいたい17世紀から18世紀の初頭くらいにかけて使われていた楽器で、ビッグネームだとヴィヴァルディがこの楽器のために6つのソロ・コンチェルトを作曲していますし、バッハもカンタータや《ヨハネ受難曲》の中で使っています。

来月、ギターの先生の門下生の発表会のお手伝いで講師演奏に参加させて頂くことになり、そこで久しぶりに日の目を見ることになりました。メンテナンスも終えて、これから合わせをして来ます。
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