共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

『おはぎ』とは…『ぼたもち』とは…

2016年09月22日 19時45分27秒 | 日記
今日は全国的に御彼岸の御中日でございます。生憎の天気になりましたが、お墓参りにお出掛けになられた方もおいでかと思います。私も行きたかったのですが、厚木から水戸のお墓まで行くと一日仕事になってしまい、明日は普通に仕事もあるので、今日は我が家の仏壇に手を合わせて勘弁してもらうことにしました。

ところで、折角だから御彼岸らしいことを…と思い立ち、おはぎでも買ってこようと近所のコンビニに行きました。そこにあったのがこれです。

もう…これを見た瞬間ズッコケてしまったのであります。秋の彼岸に『ぼた餅』ってアナタ…(;・・)σ。

最近はあまり気にされていない節があるようですが、同じように見えて『ぼたもち』と『おはぎ』には明確な違いがあります。

漢字で書けば一目瞭然

ぼたもち⇒牡丹餅
おはぎ⇒御萩

つまり、ぼたもちは牡丹の花が咲く春のもので、おはぎは萩の花が咲く秋のものだということがよく分かるわけです。

また、春の牡丹餅は百花の王たる牡丹の花に見立てて大ぶりに作り、秋の御萩は可憐な萩の花に見立てて小ぶりに作ります。

使うあんこにも違いがあります。御萩は小豆の収穫期近くに作るため小豆の皮が柔らかいので、その食感を活かすためにつぶ餡を使います。対して牡丹餅はひと冬越した小豆を使うことなるため小豆の皮が硬くなってしまっているので、手間隙かけてこし餡にします。

こうしてみると、この子がいかにお呼びでないかが分かって頂けるかと思います。とにかく『半殺し』であること以外はこれだけ違うはずなのですが、あろうことかこんなに大手の商品にも関わらず、こんなミスをやらかしちゃったわけです。ただ、もしかしたら商品開発部の方も、もはやこうした経緯を御存知無いようなお若い方なのかも知れません。

因みに、こうした半殺し餡ころ餅には春と秋だけではなく夏と冬バージョンの名前があることは御存知でしょうか?

これは私の祖母から聞いた話なのですが、半殺しは皆殺しと違って臼と杵とでペッタンペッタン餅つきをしないため音が漏れないので、隣近所に作っていることが分かりません。なので『搗き知らず(つきしらず)』とも呼ばれていました。その名前にかけて、

夏の『搗き知らず』⇒夏の夜の小舟はいつ船着き場に到着したか分からないことから『着き知らず』⇒『夜舟』

冬の『搗き知らず』⇒寒い北側の窓には月の影もささないことから『月知らず』⇒『北窓』

というのだそうです。

そうすると半殺し餡ころ餅は

春は牡丹餅
夏は夜舟
秋は御萩
冬は北窓

と、年間通して食べてもいい…ということにもなりそうです。尤も、実際には店頭でもあまり見かけなくなるので、夜舟と北窓は自作しない限り難しいと思われますが…。

あ、因みにこの季節外れ『ぼた餅』は、ブログ更新後に美味しく頂戴しました。念のため…(´▽`;)ゞ。
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