共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

北欧の調べ

2020年01月11日 23時58分00秒 | 音楽
今日は、以前相模原市のすずらんハウスでフラメンコギターとのコラボレーションライブをされたフルーティストのIZUMIさんがまた違ったコラボレーションライブをされるということで、国立市の《Celtic Moon》というお店まで出かけました。

上の写真は今回のライブで使用された楽器群ですが、とりわけ私の関心が高かったのが



ニッケルハルパという弦楽器でした。これはスウェーデンの民族楽器で、ニッケルはスウェーデン語で鍵盤、ハルパは弦楽器の総称のような意味の言葉とのことでした。因みに今日の奏者の方は、この日のために大阪からいらしたとのことでした。

調弦はヴィオラとほぼ同じで演奏弦は4本(下の写真で白く光っている太めの弦)あり、その他に



演奏弦の間に何本もの細い共鳴弦が張られていて、演奏弦を弓で擦るとそれに呼応して共鳴弦が響き、何とも夢心地な音色が響きます。ヨーロッパには共鳴弦を持つ楽器がいくつかありますが、現在でもこのニッケルハルパやノルウェーのハルダンゲルヴァイオリン等、北欧地域に共鳴弦付きの楽器が多く見受けられます。

演奏に際しては



このように付属のストラップを首にかけて横向きに構え、



ヴァイオリンでいう指板にあたる部分に取り付けられたキーを左手の指で下から押し上げます。

このキーは



横から見ると分かるように三階建てになっていて、



それぞれのキーを押すと、そこに付けられたタンジェントという棒状のものが該当する弦を押さえる構造になっています。ただ、一番奥に張られた太い弦はハーディガーディやバグパイプ等にある持続低音用のドローン弦なのでキーはありません。

今回のライブは



教育楽器としてよく見られる白黒鍵盤式とは違ったボタン式アコーディオンを中心に、アイルランドのティンホイッスルとフィドルの組み合わせや、



ニッケルハルパとフルートアンサンブル等で用いられるバスフルートの組み合わせ



ニッケルハルパと木製のアイリッシュフルートのトラディショナルな組み合わせといった、様々な楽器の組み合わせでのライブでした。演奏曲目もトラディショナルからオリジナル、更にシャンソンからビートルズまで多彩なものでした。

途中のダンサブルな曲では



お店の店主さんがアイルランドの打楽器バウロンを取り出して飛び入り参加したりと、バラエティに富んだ内容となりました。

終演後、奏者の御好意でニッケルハルパを弾かせて頂いたのですが、楽器自体がなかなかの大きさがあることと、鍵盤が楽器の下側になってしまうため目視が利かず、弓もかなり短いものを楽器に対して直角に当てなければならないため、見た目以上に大変でした。でも、澄んだ共鳴弦の響きは何物にも替え難い心地良いもので、持ち主に許可して頂いたのをいいことに、思わず時間を忘れてあれこれ弾いてしまいました(汗)。

来月22日にもこのメンバーによるライブが相模原市で開催されることが発表されました。今から来月が楽しみです。
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