今日も春らしい陽気に恵まれました。近所では藤の花も咲き始まっていて、お花界はもう5月に片足を突っ込んでいるようにも見受けられます。
さて、新型コロナウィルスによる外出自粛の様相はなかなか収まりを見せてはくれませんが、こういう時だからこそ、普段ちょっと気になっていることに首を突っ込んで見ようかな…などと、如何にも暇人らしいことに着目したりしてみようと思います。
クラシック作品には数多の自筆譜が存在しています。それを見てみると、その作曲家の人と成りが垣間見えたりするのです。今日はその中でも割と有名なヨハン・セバスティアン・バッハの自筆譜を御紹介します。
写真はバッハの名曲のひとつである『無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番ト短調』の第一楽章の自筆譜です。自筆譜というと割と殴り書きみたいなものが多く見受けられるのですが、バッハの自筆譜は御覧のようにこのまま見ながら演奏出来てしまうくらいに美しく書かれているものが多いのです。実はこの自筆譜、某楽器店で楽譜を購入した際に入れてくれる紙袋にも印刷されているのですが、そうしたステーショナリーのデザインとしてそのまま十分に使えるくらいに美しいのです。
こうしたものを見ると、バッハという人が如何に几帳面だったかが覗えます。そしてこれはバッハだけに限らず二番目の妻であるアンナ・マグダレーナ・バッハの手もなかなかのもので、ものによってはバッハ本人の書いたものと遜色無いくらいの出来栄えの楽譜もあるのです。彼女の内助の功は、そんなところにも発揮されています。
音楽を聴くのは勿論ですが、時にはこうした自筆譜を見てみるというのもなかなか楽しいものです。いずれ違う誰かの自筆譜が見つかったら、また掲載してみようと思います。