共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はジョン・ダウランドの命日〜リュートの名曲《ラクリメ》

2022年02月20日 19時10分10秒 | 音楽
今日は、朝から冷たい雨が降っていました。昼過ぎには止むという予報でしたがそうはならず、夕方近くなっても雨がぱらついていました。

ところで今日2月20日はジョン・ダウランドの誕生日です。



ジョン・ダウランド(1563〜1626)はイングランドのエリザベス朝後期、及びそれに続く時代に活躍した作曲家でありリュート奏者です。

1588年にオックスフォード大学で音楽学士となったダウランドでしたが、イングランド女王エリザベス一世の下で宮廷リュート奏者を望んだものの得られずに国外に職を求めました。この宮廷楽士になれなかった理由として、青年期にフランスに滞在していた一時期ローマ・カトリック教徒だったことがあったため、そのことが尾を引いてイギリス国教会のイングランドでは排斥されたのだ…とダウランド自身は信じていたようですが、実際には宗教問題は関係なく、宮廷が予算を縮小する方向にあったことや、女王に献呈するための曲を書くのを怠ってしまったことなどが問題だったのではないか…とも言われています。

その後ダウランドは、イタリアのヴェネツィアやフィレンツェ、ドイツのニュルンベルクなどヨーロッパ各地を遍歴し、1598年から1606年にはデンマークで国王クリスチャン四世付きのリュート奏者を務めました。そして1606年にはイングランドへ戻り、1612年に念願だったイギリス国王ジェームズ一世付きのリュート奏者となりました。

ダウランドは、エリザベス朝前後に流行したメランコリア(憂鬱)芸術の巨匠とされています。特に1600年に作曲された代表作であるリュート歌曲《流れよ我が涙》とその器楽曲版《ラクリメ(涙のパヴァーヌ)》は当時の欧州で群を抜いて高名な楽曲として知られていて、現在でも広く演奏されています。

そんなわけでダウランドの命日である今日は、彼の代名詞と言っても過言ではない名曲《ラクリメ》をお楽しみいただきたいと思います。リュートで奏される、古雅で素朴な音色を御堪能ください。






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