共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

意外と知らない小田原提灯のこと

2023年09月26日 17時45分10秒 | 日記
今日は勤務先の小学校の放課後子ども教室がありました。終わる前に今日も《おさるのかごや》を歌ったのですが、その前に歌詞に出てくる小田原提灯について話をしました。

小田原提灯といえば



JR小田原駅の改札口に巨大なものが提げられているくらい、小田原を代表する工芸品のひとつです。しかし、いざその特徴や歴史についてとなると、小田原っ子たちも今ひとつ認識があやしげです。

現在の小田原提灯の形が作られたのは江戸時代中期ごろのことで、甚左衛門という人物が考案したとされています。小田原提灯は普通の提灯と違い、中骨がリング状に独立しているため畳み込むことができ、使用しないときは懐にしまうなどして容易に持ち運ぶことができます。

そのため、携帯の利便性の高さから旅行者や駕籠かきといった人々に重宝がられて普及しました。また、胴に霊験あらたかな大雄山最乗寺境内の杉の木を使用しているので、この提灯を提げて夜道を歩けば狐狸妖怪に化かされないという宣伝文句も効果的だったようです。

そんな小田原提灯を提げた駕籠かきの、様を描いた《おさるのかごや》は



こんな感じのイメージで、今ではJR小田原駅の発車メロディにも採用されています。そんな話をしながら、最後に元気いっぱいに歌って終わりました。

かつては小田原市内のあちこちで製造されていた小田原提灯ですが、現在でも製造しているところはたった一軒になってしまいました。そのため、小田原市内の小学校では高学年の総合の授業で小田原提灯作りのワークショップが開かれ、ボランティアの方々にお手伝いいただきながら製作し、小田原提灯に興味を持ってもらうという取り組みもされています。

小田原御殿風鈴もそうですが、地場産業を次世代につなぐということは並大抵のことではありません。先週と今日の話から、子どもたちが地元小田原の名物に少しでも関心をもってくれたらいいな…と思っています。


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