今日も朝から雨の降る、生憎の天気となりました。特に西日本では線状降水帯も発生してかなり激しい雨が降っているらしく、広島県には大雨特別警報も発令される事態となっています。
さて、今日8月13日はフランスの作曲家ジュール・マスネの命日です。
ジュール・エミール・フレデリック・マスネ(1842〜1912)はフランスの作曲家です。オペラ作曲家として最もよく知られ、その作品は19世紀末から20世紀初頭にかけて大変人気がありました。
現在も《マノン》(1884年)、《ウェルテル》(1892年)、《タイス》(1894年)といった作品は頻繁に上演され、主要なオペラハウスのレパートリー演目となっています。特に
《タイス》の間奏曲である《タイスの瞑想曲》はヴァイオリン独奏曲としても人気があり、単独でヴァイオリンのリサイタル等でもよく演奏される名曲となっています。
《タイスの瞑想曲》は本来、
オペラ《タイス》の第2幕の第1場と第2場の間で演奏される器楽の間奏曲です。 オペラ第2幕第1場でバリトンによって歌われる修道僧アタナエルが、ソプラノによって歌われる美貌の快楽主義の高級娼婦(クルチザンヌ)でヴィーナスの巫女のタイス(アレクサンドリアの聖タイス)に対峙して豪奢で享楽的な生活から離れて神を通じた救いを見出すようにとタイスにキリスト教に改宗を説得するという場面で、アタナエルとの出会いの後のタイスの熟慮の間に管弦楽によって演奏されます。
ヴァイオリンリサイタルで演奏される《タイスの瞑想曲》はピアノ伴奏で演奏されることが殆どですが、本来この曲はオペラの間奏曲であることから合唱付きのオーケストラ曲です。ただ、《タイス》本編の上演が無い限り、合唱まで付いた本来の姿で聴くことはなかなか難しいのが現状です。
そんなわけで、今日はそのオペラの間奏曲としてのあるべき姿の《タイスの瞑想曲》の動画を転載してみました。ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮、BBC放送交響楽団の演奏でお楽しみください。