今日も暑くなりました。今日はプールの授業があったのですが、水に入っている子どもたちは涼しげにしていたものの、プールサイドで指示を出している大人たちはたまったものではありません…。
さて、今日は放課後子ども教室のある日でした。7月に入ったこともあるので、帰りの歌を《ゆりかごの歌》から
《めだかの学校》に替えることにしました。
この《めだかの学校》、実は小田原と深い関わりがあります。この曲の作詞をしたのは
作詞家の茶木滋(1910〜1998)ですが、この歌詞に登場するのは小田原にある
荻窪用水にいた『小田原めだか』がモデルとなっているのです。
1946年、小田原市の荻窪用水の辺りを幼い息子と散歩をしていた時、少し先をいく息子が荻窪用水の水をのぞき込みました。そして息子に
「やあ、めだかがいるよ」
と言われて茶木がのぞき込むと、めだかは既にいなくなってしまっていました。
息子に
「あんまり大声を出すんで逃げてしまったよ。」
と茶木がいうと、
「大丈夫、また来るよ。だって、ここはめだかの学校だもん。」
と息子は答えました。このやりとりが、《めだかの学校》の詞のモチーフとなったといわれていて、荻窪用水の辺りには
そのことを記念する石碑も建てられています。
その後、1950年(昭和25年)に茶木滋によって作詞され、
中田喜直(1923〜2000)によって作曲された《めだかの学校》は、翌1951年(昭和26年)3月にNHKのラジオ番組「幼児の時間」のコーナー「歌のおけいこ」で発表されました。そして同年4月、NHKのラジオ番組「うたのおばさん」で安西愛子が歌い、安西の歌唱によるレコードも発売されました(因みにレコードのB面には、作詞:サトウハチロー、作曲:中田喜直の《かわいいかくれんぼ》が収録されています)。
この曲はやがて日本中に知れ渡り、1954年(昭和29年)には文部省芸術選奨文部大臣賞を受賞するまでになりました。2007年(平成19年)には文化庁が選定した「日本の歌百選」に選ばれ、2013年には保育士実技試験課題曲に取り上げられました。
因みに、「そっと覗いてみてごらん」のフレーズは最初は一行だけだったといいます。それに作曲家である中田喜直が繰り返しを提案したことで2行になり、今日歌われるかたちとなりました。
放課後子ども教室の子どもたちは、こうした話をきちんと聞いてくれました。そして、最後にみんなで元気よく歌って終わりました。
そんなわけで、今日は童謡《めだかの学校》をお聴きいただきたいと思います。かつて歌った子どもの頃に思いを馳せながら、可愛らしい世界観をお楽しみください。
そうですね、昔は小川や田んぼで普通に見かけられたメダカも、昨今は見られなくなりました。また、外来種との交配が進んでしまい、固有種であるはずのミナミメダカやキタノメダカは今や絶滅危惧種になってしまっています。
小田原の小学校では、そうした固有種メダカを飼育しているところもあります。子どもたちにも、固有種の希少さと大切さを学んでほしいと思っています。