暦の上の大寒から一夜明けましたが、今日の方が大寒に相応しいくらいの寒さとなりました。やはり、週明けに寒波が襲来するというのは本当のようです。
ところで、今日1月21日はワルツ《天体の音楽》が初演された日です。《天体の音楽》はワルツ王ヨハン・シュトラウス2世の弟で
《鍛冶屋のポルカ》や《ピチカート・ポルカ》等の作曲家であるヨーゼフ・シュトラウス(1827〜1870)の代表作のひとつです。
1863年、ヨーゼフ・シュトラウスは兄のヨハン・シュトラウス2世から、ウィーン大学医学生らにより構成される「医学舞踏会」の音楽監督を引き継ぐこととなりました。ヨーゼフを再任した「医学舞踏会」の委員会は、当時流行の「天球の音楽」を舞踏会のテーマとすることを決定し、それにふさわしい音楽をヨーゼフに求めました。
それに応えるかたちでヨーゼフはワルツ《天体の音楽》を作曲し、当日会場全体を星を散りばめた青色の絹布で飾りつけられたゾフィエンザールという会場で1868年1月21日に初演しました。一部からは
「《天体の音楽》という曲名が祝祭にそぐわない」
とも言われましたが、それでも初演は大成功を収め、結果的にこの作品はヨーゼフの代表作となりました。
このワルツはその後も愛奏され、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも度々プログラムに採り上げられてきました。昨年のニューイヤーコンサートでもダニエル・バレンボイムの指揮によって演奏されています。
そんなわけで、今日はワルツ《天体の音楽》をお聴きいただきたいと思います。『帝王』ヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮による、1987年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの演奏でお楽しみください。