東十条探偵団2

明日は何を撮りに行こうかな?

万葉の時代を偲ぶ

2015-10-09 | 季節の花
  ぬばたま、さねかずら ムラサキシキブ、、、
  万葉のころを思わせる植物が見頃です。
  遥か彼方に思いを馳せながら・・・。


  

     ぬばたま(射干玉)。 ヒオウギ(檜扇)の実。
     「黒」「夜」「夕」「宵」「髪」 など”黒いもの”にかかる枕詞

     ぬばたまの 黒髪山の山菅(やますげ)に、小雨降りしき しくしく思ほゆ   柿本人麻呂歌集
     ・・・黒髪山の山菅(やますげ)に小雨が絶え間無く降るように、ずっーとあの人のことを思っています。・・・
     黒髪山は奈良市北方の、旧黒髪山町一帯の山地を言うそうです。

     居明かして君をば待たむぬばたまの、我が黒髪に霜は降るとも   磐姫皇后(いわのひめのおおきさき)
     ・・・朝まで寝ないであなたを待ちましょう。私の黒髪に霜が降ろうとも。・・・

     柿本人麻呂歌集は万葉集が成立する以前に存在していたと思われる和歌集で、
     人麻呂が編集したものではないかと言われています。

     磐姫皇后。 仁徳天皇の皇后、記紀によれば嫉妬深い女性とか、、、。



  

     さねかずら(実葛)。 ”実(さね)”が美しい、つる植物(かずら)の意。

     さね葛、のちも逢はむと夢のみに うけひわたりて年は経につつ     柿本人麻呂
     ・・・あなたに後でまた出合おうと夢みつつ、年だけが経っていく。・・・

     柿本人麻呂は飛鳥時代の歌人。 このひと長歌がいいです、読んでいると鳥肌が立ってくる。
     人麻呂以降子孫は石見国(島根県)に土着、鎌倉時代以降益田氏を称して石見国人となったと言われています。



  

     ムラサキシキブ(紫式部)。
     江戸時代の植木屋が平安時代の女流作家「紫式部」になぞらえて付けたともいわれます、
     ムラサキシキブと聞くと、まずそちらの方をイメージするのが自然ですよね。
     洒落たのか、イメージをよくする商品名とした名付けたかはよくわかりません。

     コムラサキと混同され園芸店でもコムラサキをムラサキシキブ
     として売られていることがあるけど近縁種ではあるけど違うものです。
     ムラサキシキブは実がバラバラに付き、コムラサキは団子状に固まって付きます。

     万葉集ということで長くなってしまいました、
     落語も好きだけど万葉集はそれ以上に好きなので、、、。

      

コメント (3)
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