ゲートボール(GB)日記

まちなかの公園でGBを楽しんでいます。GBは老若男女一緒に楽しめる数少ないスポーツの一つです。まちびと

高層集合住宅の建設は抑制的であった方がいい

2006年04月13日 | Weblog
高層集合住宅の17階に住んでいたある家族が昨年秋から引っ越して1階のアパートに住んでいます。
その南側の窓のすぐ外は草地で木が何本か植わっており、今は枝垂桜が美しく咲いています。
ソメイヨシノもあってここ2週間南側の空間を明るく彩っていました。

夫人とお話ししたところ、彼女は小さい時から高層集合住宅で育ったので、窓のすぐ外に庭のある生活は経験したことがなかったそうです。
高層集合住宅は近づけば近づくほど覆いかぶさってくる圧迫を感じたそうです。
自分の家のドアにたどり着くまでのエレベーター、廊下は無味乾燥だったそうです。
家の中からはほかの高層アパートと空しか見えなかったそうです。
ベランダから下を見ると、吸い込まれるようで、不安を感じたそうです。

今は手が届くところに草木があって感動していると言いました。
子供は草地を走り回って大喜びしていました。
その子供の姿を母親は家の中から見ることができました。

高層集合住宅は技術的には非常に高度です。
都市では広い年齢層で高層集合住宅が買われています。
一戸建ては管理が面倒とか、広すぎると言ってわざわざ高層集合住宅に引っ越す人もいます。

しかし長い目で見た場合、高層集合住宅が本当にいいかよく考えて見るべきではないでしょうか。
上記の引っ越した夫人の感想は高層集合住宅の基本的な問題をよく表していると思います。

仮に偽装設計がなくても、やはり地震の時には高層集合住宅には不安があります。
全体が倒壊しなくても大揺れになる部分があるでしょう。
部分的破壊は起こりえます。
エレベーターは閉じ込められる心配があります。
階段による避難は意外に危険かもしれません。
下の階で火災が起これば、上に逃げるしかありません。
屋上で救助を待つのは心細いことです。

古くなった時の改築は住人の意見がまとまらず、思うようになりません。
売ると言っても値はつかないでしょう。

周りの低層住宅の住人は景観破壊だ、環境破壊だと怒るでしょう。
高層住宅の住人と低層住宅の住人は対立してしまい、同じ町の住人意識は生じないでしょう。

今後は人口減少が予測されています。
当然のことながら住宅需要は弱くなっていくでしょう。

高層集合住宅は、技術的、経済的にすぐれていても、社会的、精神的にはいろいろと問題があります。
建設は抑制的であった方がいいのではないでしょうか。