戦争で町を破壊している国を見ますと、世界には文化が遅れている国があるものだと思います。
軍備拡充に注力している国を見ますと、やはり文化が遅れていると思います。
軍備拡充にも戦争にも熱心なアメリカについて文化が進んだ国という人が多いのですが、アメリカは国際収支赤字が続いています。
その背景に文化の荒廃があることは明白です。
資本主義は第三段階にあり、マネーゲーム重視の人が増えつつあります。
(注)資本主義の第一段階 生産重視、第二段階 生産手段売買重視、第三段階 非生産的金融(マネーゲーム)重視
日本も昔は文化が遅れていて第二次世界大戦では多くの町を破壊し、また破壊されてしまいました。
馬鹿なことをやったものです。
戦後は戦争を否定し、技術と産業に注力しました。
世界は日本の製品を評価し、よく輸入してくれました。
人々は生活水準が上がり、質のよい住宅、美しい町を求めるようになりました。
ところが1990年ぐらいを境にして日本はおかしくなりました。
経済横這いが続き、貧富の格差が広がり、質の悪い住宅が再び売れる状態になってしまいました。
政府も会社も個人も経済的破綻を心配せざるをえない状態に陥ってしまいました。
住宅や町の改善は二の次になってしまいました。
みんなお金のためなら何でもやるという生き方に変わってしまいました。
政府は政府のために、会社は会社のために、個人は個人のために、要するに自分のことしか考えないようになりました。
これは明らかに文化の荒廃を示していると思います。
論より証拠、日本では軍備拡充、経済制裁、戦争論など、戦争を放棄した国とは思えない戦争の雰囲気が広がってきました。
隣国が経済で追い上げてくると、まるで日本が負けるかのような錯覚に陥り、新聞テレビまで論調が変わり、隣国に負けない強い日本を求めるようになりました。
技術・産業を重視する、質のいい住宅を買う、町を美しくするなどの考えは極めて健全な思考です。
隣国の経済的追い上げについては、新技術新産業の開発とか、隣国との共同事業で対応する前向きの精神が必要です。
日本が自信を持ち続けているならば隣国は日本を先生として学び続けるでしょう。
日本との戦争を考えるような馬鹿なことはしないでしょう。
日本が戦争を考え始めたということは、すでに精神で負け、不安に陥り、文化が遅れ始めた証拠ではないかと心配しています。