静岡県磐田市の景勝地 獅子ケ鼻
獅子ケ鼻から眼下を見た雄大な景色
静岡県磐田市の北部に敷地川が北から南へ流れていますがその上流の東側は南北に伸びる岩の急斜面になっています。
しかし急斜面は木で覆われていますから通常岩場と気付きません。
急斜面の一番上に大きな岩の塊が見えるだけです。
この岩の塊は獅子ケ鼻と呼ばれています。
横から見ると獅子の横顔に見えるからです。
高校生の頃、一度だけ獅子ケ鼻に登り、その美しい景観に感動しました。
この思い出が忘れられず、5月22日、故郷の友人と一緒に約55年ぶりに獅子ケ鼻を再訪しました。
高校時代登ったと思う獅子ケ鼻の西側急斜面の真下から登りました。
今は山道は細いながらもきれいに整備されていました。
記憶にはなかったのですが、登ってみるとこの急斜面が岩でできていることがわかりました。
苔や草や木の根に覆われていますが、その下は大きな岩で、雨水の浸食を受けて岩には大小多くの穴ができていました。
岩質は砂粒が固まってできた水成岩でした。
大昔は水底で、それが隆起し、川で削られて断崖になったということでしょうか。
下から見ると高度はないと思いましたが、登ってみると結構ありました。
200m弱と思います。
登りきって上に出ると涼しい風が吹いていました。
このあたりは赤松が多く一段と景観を引き立てています。
上からの眺めは今も感動的です。
眼下の谷間(たにあい)は開発が進んだと思いますが、丘陵の緑は自然のままです。
景色を楽しみながら友人と約1時間、思い出を語り合いました。
下る途中、突然威嚇するようなシャー、シャーという鋭い動物の鳴き声が聞こえました。
一瞬身構えましたが、鳴き声は遠ざかって行きました。
猫が威嚇するときこのような声を発しますが、このような山の中に猫が生息しているとは思えず、イタチかなっと思いながら下り続けました。
すると山道に白い鶏の羽根が散乱していました。
例の動物に食われたのでしょう。
なお今はほとんどの人が車で山の上まで行くそうですが、車で登ると獅子ケ鼻のよさは半減します。
西側急斜面を歩いて登るのが一番と思います。
横浜に住んでいる私にとっては故郷は自然がいっぱいで懐かしく楽しい場所です。