ゲートボール(GB)日記

まちなかの公園でGBを楽しんでいます。GBは老若男女一緒に楽しめる数少ないスポーツの一つです。まちびと

民主主義の日本でどうして貧富の格差が拡大するのか

2021年05月17日 | Weblog
戦後経済成長したときは中間層が拡大し、多くの人々が生活水準が上がったと実感できました。戦争直後のまだ経済成長する前は会社の労働対価が低く、労働は厳しく、労働組合が発達し、主に共産党(員)が激しくストライキやデモを行って経営者を悩ませました。工業化策に成功し、経済成長が始まると、収益性がよくなったので経営者は労働対価を上げることで労働組合の対立姿勢を弱め、会社の稼動を守りました。この望ましい状態は1990年頃の不動産バブルの破裂とともに終わり、経済成長が止まってしまいました。

戦後の経済成長の主役であったメーカーは、国内での苦しい技術開発・生産を捨て、既存技術による海外生産で生き残ることを考えました。日本は経済低迷が続いたので経営者は国内の労働対価改善を抑制し、会社存続のため内部留保を重視しました。この保守に従業員は反発せず、首にならないことを感謝して労働対価が上がらないことを受け入れてきました。従業員も保守でした。転職を強いられた人々は転職先でもらえる低い労働対価を受け入れ、何とか生活できることに感謝してきました。やはり彼らも保守でした。国も保守で、やり繰り算段に注力してきました。借金しないと社会混乱を防げないので国は借金政治を続けてきました。国民は借金政治を受け入れました。生活できるならば国が借金政治を続けていても気にしないという姿勢です。

保守の精神が大問題です。未来に挑戦する意欲を欠いています。問題に真剣に取り組んでいません。

こうして気付いたら日本は貧富の格差が拡大する、しかも貧困層が拡大するという非常にまずい状態になっており、他の民主主義国は経済成長しているのに日本は低迷しています。

とうとう日本でベーシックインカムという政治が議論されるようになりました。貧困化をとめられないという絶望感から生まれたと思います。すべての国民に国が毎月5-10万円支給し、生活を守るという考えです。これを実行するには国は年間78-160兆円のお金が必要です。現在国の歳入は60兆円ぐらいです。ベーシックインカム実行だけで国庫は空です。年金保険基金、医療・介護保険基金、失業保険基金などはその目的に使うためのお金ですから通常の国政に回せません。通常の国政に必要なお金はどこからもってくるのでしょうか。

お金持ちや高収益会社からもっと多く税金をもらうという考えがありますが、現在の日本のお金持ちや高収益会社はベーシックインカム政治を支えるだけの資金力を持っているでしょうか。経済低迷の日本でべーシックインカムは人々の保守を助長するのではないでしょうか。

国も人々も、保守を捨て、国内で技術開発・生産というむずかしい問題に取り組む活力を持つことがだいじと思います。技術開発・生産に取り組むから当面ベーシックインカム政治を行って国民生活を守るというならわかりますが、現在の日本のベーシックインカム論は、安倍晋三前内閣の異次元金融緩和論と大同小異です。ベーシックインカム政治も失敗に終わると思います。



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