じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

源氏物語 巻一 瀬戸内寂聴・訳

2015-02-02 | 


あまりにも有名であまりにも優れているこの物語でありながら、
読破したという人は、もしかしたら少ないのかもしれませんね。

もちろん、私もその一人^^;

興味がありながら、原文を読むのはムリムリ…( ̄。 ̄;)無理!
ということで、
瀬戸内寂聴さんの訳を買いました…

ってのが、18年前!!(゜o゜)丿まさかのまさか

(^_^;)そうなんですよー

まだ読んでないんですよー。
ま、言い訳しますと、ムスコが生まれてすぐに発売されて、この単行本を揃えたくて買ったものの、
忙しくて(というか、読む気が失せて?)そのまま放置しておりました…(^_^;)ハイ

 きれいな装丁

注意!
巻末に系図と語句の解釈が載っています!


なにしろ、登場人物が多いし、同一人物でも呼び名が変わるし、人の名前なのか位の名前なのかさっしぱりわからないし、お世話をする人がわんさか出てきてこんがらがる…
てなもんです(;´Д`)

最初、あまりに物語がわからなくて読み進められないので←頭わるい(-.-)
登場人物をどんどんメモして読みなおしていきましたら…
1巻を読み終わる頃に、系図と語句の解釈が載っていることに気付きました(゜o゜)遅っ


(巻一)
ただ光源氏の恋物語だけではない、
光源氏をとりまく女性たちの多彩な顔ぶれと、その女性たちの心のひだ…余すことなく書かれています。
妖しい景色が目の前に映るようです。

物語を読み進めていくと、
章の終わりに、
・・・と、言い伝えられていますとか。
・・・お思いになっていらっしゃるとか。

というくだりがあり、

仕方なくありのままに語ってしまいました。あまり口さがないとのお咎めは、まぬがれないことでございましょうけれど。

というくだりになり、ワタシはやっと気付きます。
仕えている人がそっと見たものを、黙っておれずにそっと話しているのですね。

ふつうに進めば、読者はそんな物語の世界に浸っていくだけのものを、
視点が変わることで、なんとなく人の秘密を覗き見したような感覚になり、心がざわざわしてきますね。

ますます、これからどうなるの?と、興味もわいてきます。

他の方の訳を読んでないのでわからないのですが、
瀬戸内寂聴さんはホント読みやすいです。
口語訳ではなくて、現代語訳って言うんですかね。

いやー、もったいないですねー。
こんな面白い本を放置していたなんてね。
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「くるいきちがい考」なだいなだ

2014-09-24 | 
またまた昔読んだ本を読み返しています。
なんとなく、その時の気分で本棚から本を取り出します(^-^)



1986年5月初版です。

正常でないものが異常。
異常でないものが正常。
そして、正常と異常の間の線引きがない。(どこからどこまで、がはっきりしていない)

異常と感じさせるものが人間には備わっていて、
それが正常という観念を生んでいる。
(常識と呼ばれるものが、そう判断させている)

では、世の中がクルッテイルとは?
クルッテイル人を分類するのは周りの人?


自分と周り、
自分と社会、
物事の見方というものを考えさせてくれる本でした。

いかに自分は”独りよがり”か…ってこととかもね(~_~;)

編集者のF君と精神科医の対話形式になっているので、やさしいです。
論文形式だと、小難しく、ややこしく、こんがらがってしまいそうなことも、頭の中に入って来やすくなっています。

今度は…
「権威と権力(なだいなだ)」を読んでみようっと(^-^)
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「恐怖はゆるやかに」渡辺淳一

2014-08-07 | 
最近、「光と影」を読んだのを皮切りに、渡辺さんの初期の作品を読み始めました。

ええ、ええ、前回も書いた通り、
読み終わったからいいやと思って出してしまった文庫本を、また中古で買ってまでね(-.-)

夜、寝る前に読むのが日課ですが、
おもしろくて読みやすいので、どんどん進んでしまい…

ブログで感想を書くのが面倒になってしまったので^^;暑いしさっ
「恐怖はゆるやかに」1作品だけ取り上げてみます。



マイカーを持ち、子供を作り、やがてはマイホーム。
そんな平凡な夢に向かってまじめに生活していた31歳の中学教師が、一瞬の過ちのために人生が狂っていく…。

車を運転していて、前の車に衝突。
乗っていたのはバーテンダーと、その母親。そして母親のほうを鞭打ち症にしてしまう。
そのとき、ちょっとした気持ちの揺れがあり、
警察を呼んで事故証明を取らなかったばかりに、、金銭的にも精神的にも追い詰められていく。

もう少し車間距離さえ取っていれば…
事故直後、警察を呼んでいれば…

ラストは、
パタンと物語を切ってしまう感じですが、とてもうまくまとまっています。
うーん、なるほど~、と唸ってしまいます。

間違いの上に間違いを犯してしまい、八方ふさがりになってしまう、というコワイ話ですが、
まぁ、この話は極端かもしれないけれど、
それでも、いつ誰に起きてもおかしくない話です。

間違ったとき(失敗したとき)の対応が良いと、かえって人格的に認められることもありますもんね。
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「光と影」渡辺淳一

2014-07-09 | 
渡辺淳一さんが亡くなられたという報道を聞いて(もう前だけど)、
なんだかまた、渡辺さんの作品を無性に読みたくなりました。
(山崎豊子さんの時もそうだった…)

初期作品の医療ものは、
知らない世界だけに、興味深く面白かったですね。

で、本棚を調べてみると…
2冊しかない(・・?

そういえば…( ̄□ ̄;)
本を整理したときに、BOOK OFFだか図書館に出してしまったんだっ!
もう読まないだろうと思って(-_-;)

しょうがないから、中古本をまた買いました。



「光と影」

西南戦争のころ…
同じように腕を負傷した友人同士は、臨時陸軍病院へ向かう船の中で再会する。
治療としては、腕の切断が一般的だったが、
軍医の実験的出来心から、一人は右腕を切断し、もう一人は腕が残された。
それも、カルテの順番で後の方をたまたま残したという偶然に過ぎないことだった。

軍医の気まぐれから二人の運命は大きく変わることとなる。
一人は、不自由ながらも腕が残ったことで、
光ある表側の人生を常に歩いてゆくことになり、
やがて内閣総理大臣にまでなった。

もう一人は、かげりある裏側の人生を歩み、
ついには狂死してしまう。


なんか、こわいですけど、
人生ってこういうものなのでしょうか。

船中での再会の時は、確かに二人の中に強い結びつきが生まれたと想像します。
(その後の出来事のせいで、一時的なこととなってしまうのでしょうけど)

でも、裏側を生きたとされる人は、
その後の人生を生きていく長い中で、”そいつ”の存在に気付く時、苦しみはいっそう深くなり、それが死ぬまで続くのですね。
そいつがいるから苦しむという不条理。
これが運命、と割り切るに割り切れない思いでしょう。

こうやって他人(ひと)の人生をかいつまんで知った気になって、
そして、自分の人生をかいつまんだら、どういう人生だと言えるのかなぁ、なんて考えてしまいました。

他人の人生をどうだ、なんて、よく人はかいつまんで知った気になり、口にしますけどね^^;

もうちょっと、
渡辺さんの初期の作品を読み直してみようっと。
おもしろいのが、まだあったはず。
えっと…何だっけ?けんさく、けんさく。
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「沈まぬ太陽1~5巻」山崎豊子

2014-07-08 | 


日航の御巣鷹山の事故をもとにしていて、
膨大な取材によって書かれた小説であるとのことですが、
どこがノンフィクションで、どこがフィクションなのか、気になるところです。

作者が訴えたいことも大きいでしょうし、
かと言って、事実のまま書いたのでは、小説としておもしろくならないし。
人物設定からはじまり、事実を小説に昇華させるというのは難しい作業なんだろうなーと想像します。

全編通してとても具体的なので、ほとんんどが事実?という印象は受けましたけど。

※注 内容を知りたくない方は、読まないでくださいね)

小説の中では国民航空という名称で出てきます。

国民航空の恩地(おんち・主人公)は、労働組合委員長となって、従業員の待遇改善と空の安全を求め奮闘するが、
報復人事を受け、僻地(イラン、パキスタン、ケニア)へ10年もの長期間にわたり左遷されてしまう。
(第1巻・第2巻)


ケニアでの暮らしぶりは、
事実をもとにしているという証明をとりつけたような位置付けのようにも感じられます。
ハンティングの描写は、興味がわくことでもあるけれど、
この小説に必要?と思い、違和感がありました。

ジャンボ機墜落事故。
本社への配属となっていた恩地は、ご遺族相談室で遺族に寄り添っていた。
(第3巻)


事故の悲惨さ、すさまじさを改めて知りました。
事故原因と対策は、本当に追究されたといえるのか?と考えると、なんともやりきれないですね。

国民航空は、多くの人の命を預かり、安全を第一優先にしなければならない企業であるにも関わらず、
利益ばかりを追求するあまり、空の安全対策がおろそかになっていた。
幹部は政治と癒着し甘い汁を吸い、政治家もそれに乗じて私欲をむさぼっている。
御巣鷹山のジャンボ機墜落事故のあと、上層部を一新。
恩地は、会長室の部長に抜擢された。

多額の裏金作り
先物予約による大損失
政治の腐敗…
経営建て直しのために不正を暴こうとするが、逆に攻撃の対象とされてしまう。
相変わらず、改善されない企業体質。
会長は解任され、恩地はまたしてもケニアに飛ばされる。
(第4巻・第5巻)


これにはギョッとしました。
5巻もあった小説は、サッと幕が閉じられた感じがしました。

内幕を知っていた人物が自殺前に東京地検に密告し、
物語の最後に東京地検特捜部が出てきたところは、小説っぽかったですね。
でもそれだけで、その後の発展があまり書かれてなかったので、
利権を暴いて、腐敗した企業体質をコテンパンにやっつけるところを書いてほしかったなぁと思いました。

あと、人間は「最も凶悪な動物」のエピソードはこころに残りました。
まったく…!
人間は、地球上でもっとも厄介な動物でしょうね。
地球上の生き物に対して、申し訳なさがでてきます。
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