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なんか…もの凄かったです…。
ほとんど一気読みに近い感じで読み終えました。
天才数学者でありながら高校教師、数学だけが生きがいだった石神が、秘かに思いを寄せていた女性を守るために完全犯罪を企てます。
その、数学者ゆえのち密なトリック・独特な発想は、想像を超えていました。
見事な設定だと思いました。
そして、石神のかつての親友である物理学者の湯川が、
トリックを見破ったときの驚愕…ますます物語の中に引きこまれていきます。
湯川の友情、トリックが明らかにされていく過程も、とてもよく書かれていると思います。
ラストシーン…
石神の企てたち密なストーリーが崩れ、予定外の現実が現れたこと、
ここまで書ききってくれたことは納得ですが、
もう少し余韻を含んだ書き方でもよかったのではないかと思いました。
でも、凄まじいラストです。
人の一生とは、本当に何なのでしょう。
こんな絶望が世の中にはあるのでしょうか。
やりきれなくて悲しくて、胸がしめつけられます。
あと、人の一生を考えさせられる小説として思い浮かぶのは、
松本清張の、或る「小倉日記」伝
これもスゴイ小説ですよー。