折にふれて

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もうひとつの「天国への階段」

2017-09-25 | 折にふれて

先日、ブリューゲルの「バベルの塔」を紹介したところ、

いつも訪問してくださるブロガーさんから

「天国への階段」ですね… とのコメントをいただいた。

バベルの塔を取り巻いて伸びる螺旋階段はまさに「天国への階段」そのものだと思う。

しかし、「天国への階段」は自分にとってもうひとつの意味を持つ。

当ブログ、記事から連想される音楽を添付していて、

その記事には、「塔」という言葉から連想して、ボブ・ディランの「見張り塔からずっと」(演奏はデイブ・メイソン)を選んだ。

ところが、もっとふさわしい曲を思い出したわけで、

それがもうひとつの意味、レッド・ツエッペリンの「天国への階段」だ。

ロックファンなら誰もが知っている名曲で、

高校一年生の時、初めて買ったロックアルバムがこの曲が収められているレッド・ツエッペリンⅣだった。

映像とともにこの名曲をあらためて聴きたくなり、youtubeを検索したところ、こんな映像がヒットした。

 

 

  HEART - STAIRWAY TO HEAVEN in HD - The Kennedy Center Honors LED ZEPPELIN, 2012.

 

ケネディセンター名誉賞の一幕だというが、

そもそも、この賞は国籍を問わず音楽の功績を称えるもので2012年にレッド・ツエッペリンが受賞した時のものらしい。

                                                     ケネディセンター名誉賞

そこでは、称賛をこめて受賞者を敬愛するアーティストたちが受賞者の楽曲をステージで披露するのだが、

その圧巻が、ロックバンド「ハート」のリーダー、アンとナンシーのウィルソン姉妹による「天国への階段」。

あくまでもオリジナルに忠実に奏でられる美しいメロディ。

それを情感豊かに歌いあげるアン・ウィルソンと女性コーラスのメンバーたち。

やがて力強いドラムとともに、これまたオリジナルの再現かと思われるような感動的なギターソロが始まる。

そして終盤、いつのまにか現れた大合唱団がこの名曲をさらに盛り上げていく。

その熱演に酔いしれる観客の中には、バラク・オバマ夫妻やヨー・ヨー・マの姿も...。

 

さて、当のレッド・ツエッペリンのメンバーたちは...

今は白髪で好々爺としたギターのジミー・ペイジ。

精悍なあの美男子も昔、ボーカルのロバート・プラント 

あいかわらず地味なまま、年を重ねたという風貌、ベースやキーボードなどマルチプレーヤーのジョン・ポール・ジョーンズ。

最初は、「やるな...」というまなざしでステージを見つめる彼らだったが徐々にその表情は熱を帯びていく。

その中でもっとも印象に残ったのがロバート・プラント。

次第に涙目となり、クライマックスでは流れ落ちる涙を手でぬぐうしぐさも...

そんな彼らを見つめつつ、

私自身も当時意味もわからず暗記したクライマックスの一節を口ずさんでいた。

And we wind on the road

Our shadows taller than our soul

There walks a lady we all know

Who shine white light and wan show

How every thing still turn to gold

And if you listen very hard

The tune will come to you at last

When all are one and one is all

To be a rock, a natural

....And she's buying a stairway to heaven

 

 

 

 

あれから45年。

そんな懐かしい思いを胸に、久しぶりにレッド・ツエッペリンⅣをレコードで聴いてみた。

1970年前後、ハードロックという音楽ジャンルを切りひらいたレッド・ツエッペリン。

今の彼らの風貌からは想像もできないほど

激しく躍動的なサウンドが昔のまま繰り広げられたわけだが、

その中には今まで感じたことのない、

どこかやさしく、切ない気持ちさえ感じさせる音も含まれていた。

 

 

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