燕尾服。
謎の多い服であったが、ツバメから来ていたとはな。
代々が農家。私とは縁遠い物と考えていた。君は毎年飛んできては、軒先に巣をつくったな。フンの処理は困ったが、じいさんは今年も来たと喜んでいた。巣は、板の目に沿って作るとか。低く飛んでいるときには、明日は雨だという。自然界では、君たちに教わることも多い。
おや、聞き覚えのある鳴き声だ。見上げると電線に整列しているではないか。来てくれたのか。おや、どうした? 天高く飛び去った。今日、明日は晴れるだろう。
姶良市 山下恰 2012/7/2 毎日新聞鹿児島版掲載