庭の梅が開いた。風もなく暖かい日差しに遠出したくなった。夫が鶴の越冬地に誘ってくれた。途中、道路脇の小川に沿って小道に曲がると、川縁の土手に赤褐色の鳥が首を羽に埋めて気持ち良さそうに日を浴び眠っていた。何と美しい鳥だろう。
暮れに珍鳥アカツクシガモの飛来を聞いたあの鳥だろう。浅い流れに揺れる藻がこの鳥の餌場らしい。飛ぶ姿も見たいと思ったがその気配もない。静かにこの場を離れ、再び来てみると辺りをゆっくり歩いていた。
くちばし、尾、足の黒色が赤褐色の羽を引き立てる。頭部は淡く、美しさに感動した。
出水市 年神貞子 2014/2/14 毎日新聞鹿児島版掲載