独り暮らしなのに、食料品ぎっしりのカートはいつも重い。その上自宅の手前には急な階段がある。回り道をすれば、なだらかな坂道なのに僅かな時間を惜しんで階段に挑む私。
ある日、階段の下で立ち止まっていると、小学校高学年とみえる男の子が走ってきた。
「持ちましょうか」。反射的に出た私の言葉なんと……。
「ありがとう、大丈夫よ」
バッカだなあ。「まあうれしい、お願いね」の素直な一言が言えなかった……。
「はあい」と明るい声を残し、階段を二段飛びで駆け上がる少年に「ごめんね」。
鹿屋市 西尾フミ子 2014/12/1 毎日新聞鹿児島版掲載
ある日、階段の下で立ち止まっていると、小学校高学年とみえる男の子が走ってきた。
「持ちましょうか」。反射的に出た私の言葉なんと……。
「ありがとう、大丈夫よ」
バッカだなあ。「まあうれしい、お願いね」の素直な一言が言えなかった……。
「はあい」と明るい声を残し、階段を二段飛びで駆け上がる少年に「ごめんね」。
鹿屋市 西尾フミ子 2014/12/1 毎日新聞鹿児島版掲載