小学3年の孫息子から電話がかかる。「風の鳴る音を作ったから、ばあばに聞かせるね」。すると雑音の中にガツガツと確かに聞こえる。いや違う。カタッ、カタッだよとつぶやくばあば。じゃ、もう1回。今度は「カタッカタッ」。前より少し軽い具合だ。うん、もう少しだ。3回目。「カタッ、カタッ」と快く聞こえた。〝風の鳴る音〟。孫息子は試行錯誤の末に小さな達成感。父親が少し手伝ったらしい。筒と風船が材料だという。採点ナシの「おまけ」をつけて五重花丸。孫息子は「わーい」と飛び上がり、父親と喜びを分かち合った。
姶良市 堀美代子 2017/11/8 毎日新聞鹿児島版掲載
姶良市 堀美代子 2017/11/8 毎日新聞鹿児島版掲載