出会いは友人のジャズライブだった。「同郷の方だからお話が合うかと」と友人が紹介してくれたその方は、娘さんとみえていた。背がすらりと高く、90歳を超しておられるとは思えないお話ぶりで、ライブが始まる前のひととき、故郷のあの人この人に話が弾んだ。「小学校の時の担任は福山ルイ先生という方で……」「あ、それ私の母です」。驚きで絶句された。翌日「昨夜は興奮して眠れませんでした」との電話をいただいた。
好奇心をもって活字に親しむ御日常とか。母が結んでくれた縁を大切にお付き合いさせていただいている。
熊本市中央区 渡邊布威(82) 2020/9/13 毎日新聞鹿児島版掲載