被災地・大槌に「風の電話」と呼ばれる電話があるという。亡くなった愛しい人へつながる電話。線のつながっていない電話だが、こころを澄ませば聞こえてくるのだろう。
散歩の道の上、色づいた木の葉がクモの糸につられ、くるくると回っていた。天空からの言の葉。私は立ち止まり、じっと見上げた。
亡くなって1年、2年、3年……懐かしい人からポツリと届く「風の便り」そんなメールがあってもいいと思う。
「⏤⏤元気ね?」たったひとことのメールでも、母からなら、私は永久保存するだろう。
宮崎市 柏木正樹(70) 2019/9/26 毎日新聞鹿児島版掲載
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