妻の祖母たねさんは、どこかで運動会があると、早朝、おにぎりを作り出かけて言ったという。その話を聞いた時、なんという「運動会女子」と私は思った。それから後、一族の飲み方の席で、たねさんには戦死した子と病死した子の2人がいることを知った。2人とも足が速く、1人は100㍍走の県記録を持っていたとのことだった。
たねさんは、在りし日の2人の子を重ねて、100㍍走の先頭を駆けていく少年に声援を送っていたのかもしれない。運動会は、亡くなった2人の子が、たねさんのもとへ帰ってくる場所だったのだ、きっと。
伊佐市 清水恒 2012/10/7 毎日新聞鹿児島版掲載
たねさんは、在りし日の2人の子を重ねて、100㍍走の先頭を駆けていく少年に声援を送っていたのかもしれない。運動会は、亡くなった2人の子が、たねさんのもとへ帰ってくる場所だったのだ、きっと。
伊佐市 清水恒 2012/10/7 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます