はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

消えた遺跡の森

2007-06-18 07:11:43 | はがき随筆
こんもりとした栫ノ原遺跡の森が、いつしかコンパクトな丘になり一帯のひなびた民家も現代風の建物に様変わりをしてしまった。整備された斜面の道路脇には黄、白、ピンクの可愛い花が咲き盛って季節に呼応している。丘の上には遺跡の説明版が掲げられ、そこからの眺めは市街地を一望に出来、何よりの憩いである。残された数本の立木は生え抜きの故か雨風にも強く、鶯なども鳴き渡っている。南斜面の一画から浸み出る水が気にかかるが象徴の丘、癒しの丘として永遠なれと願うばかりである。
   南さつま市 寺園マツエ(85)2007/6/18 
   毎日新聞鹿児島版掲載 月曜特集版-1

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