カアカア。烏の鳴く声に上空を見上げた。屋根の間に伸びた電線に烏が一羽とまっている。
「カアカアカア」と間髪をいれずに鳴いてみるが、烏は頭を右に左に向けるだけ。おかしいなあ。私を見ているはずなのに、応えてくれない。
そこへ、近所のNさんが新聞を届けに来た。声を聞かれたかも、ちょっと恥ずかしい。「烏に声をかけたけど、こっちを見てくれないわ」――Nさんは微笑んでいるだけだった。
家の前の大きなモチの木にかかる巣で、あの烏は生れたはずと、勝手に決め付けている。
友達にしてよお。
宮崎県延岡市 佐藤桂子(70) 2019/1/9 毎日新聞鹿児島版掲載
「カアカアカア」と間髪をいれずに鳴いてみるが、烏は頭を右に左に向けるだけ。おかしいなあ。私を見ているはずなのに、応えてくれない。
そこへ、近所のNさんが新聞を届けに来た。声を聞かれたかも、ちょっと恥ずかしい。「烏に声をかけたけど、こっちを見てくれないわ」――Nさんは微笑んでいるだけだった。
家の前の大きなモチの木にかかる巣で、あの烏は生れたはずと、勝手に決め付けている。
友達にしてよお。
宮崎県延岡市 佐藤桂子(70) 2019/1/9 毎日新聞鹿児島版掲載
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