はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

啄木にみる故郷

2006-04-23 14:10:57 | はがき随筆
 私のそばには、いつも啄木歌集がある。啄木ほど故郷にこだわった人物はいないだろう。啄木にとって故郷は「ふるさとの山に向かひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな」であり、「石をもて追はるるごとくふるさとを出でしかなしみ消ゆる時なし」である。故郷渋民村の自然は親友であるが、自分を偏見する人間は敵であるというゆがめられた思慕が同居しながらも望郷している。故郷は良きにつけ、悪しきにつけ永久に忘れてはならないものであるということを示唆しているようでならない。〝故郷〟、それは人間の心のふるさとなのかも知れない。
   鹿児島市鴨池 川畑清一郎(58) 2006/4/23 掲載


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先輩福永耕二 (駿)
2006-04-23 17:56:57
 ♪雲青嶺(くもあおね)母あるかぎりわが故郷

元純心女子高の先生で、水原秋桜子の愛弟子でした。高校の会わざる先輩です。

 ♪新宿ははるかなる墓碑鳥渡る  耕二

 ♪母の日の来るよ不孝を量るため  耕二
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胸にじーんと (アカショウビン)
2006-04-23 21:40:49
母あるかぎり…。母を想い故郷を思う気持ちに打たれます。雲青嶺 響きもいい
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