はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

出水ツルマラソン

2006-04-22 08:37:09 | はがき随筆
 高空を水流が3羽飛んでいた。2000人近くの選手や、家族のひしめき。出水ツルマラソンの出場者が、陸上競技場のあちこちでサッ、サッ、サッと足慣らしをしている。
 1人の選手が後ろから3㌔コースをマイペースで走り出す。隻腕で足運びが独特だ。障害者かもしれないが、喜びに満ちた目のその人の走りは、私には輝いて見えた。「一緒に走りませんか」と誘っているようだ。
 心臓が悪く、もう走ることはない。友人の応援専門と思っていた私に、熱いものを感じさせた。寒い日だったが、わくような元気をもらった。
   出水は大野原町 小村 忍(63) 2006/4/22 掲載  
   写真は Ueno's Photorun Galleryより


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