2019年9月12日 (木)
岩国市 会 員 山本 一
毎週木曜日の夕食は、近所に住む次女家族も一緒だ。妻はその度に、何にしようかと悩む。小3の孫息子と父親は肉、4歳の孫娘と母親は魚が好み。私たち老い二人は、悔しいがこれといったものがない。毎週続けていると、全員が喜ぶメニューはほんの数種類に限られてくる。
この中に、唯一私の作るお好み焼きがある。「じいちゃんのお好み焼きが食べたいって」と妻は私をけしかける。策略とは分かっても、4歳がペロリと平らげるのを見ると悪い気はしない。「混ぜ過ぎない、蒸し焼き」という私のひそかな技術を、誰も盗もうとはしない。
(2019.09.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
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