はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

水菜

2006-01-17 12:18:33 | はがき随筆
1月17日
 家庭菜園に初めて夫の植えた水菜が食べごろになった。サラダ、鍋物と、ここ数年すっかりなじみの野菜だ。シャキシャキとした水菜は子供のころ、祖母が好んで植えていた野菜だった。鯨肉と煮て食べさせてくれたけど、それが「ハリハリ鍋」といわれる物だと大人になってから知った。明治生まれの鹿児島の田舎町から出た事もなかったろう祖母が、あのころなぜ毎年、水菜を植えていたのか。最愛の1人息子を亡くし、祖父と相次いで後を追うように逝ってしまって聞けなかったけど、今ごろ、あの世で親子3人仲良く水菜入り鍋をつついているだろうか。
   鹿屋市海道町 大宮司 京子(51)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿