芝生の庭は明るく開放感があった。しかし、奇麗に保つのは大変で、10年ほど掛けて植木の庭に造り直した。春が好きなぼくは早い春を見たくて、梅を植え河津桜を植えた。下草の水仙は年明けと共に濃緑な三角芽を出す。庭に出て膨らむ蕾を妻と確認する楽しい時が今年も来た。残念なのは去年の台風で、枝を張った河津桜が倒れて片側の根を失い、生かすためにはその枝を切るしかなかったこと。そのため確認できる花芽は少ない。でも春は春、丹精込めた河津桜の春である。細やかな幸せを2人で感じるに十分な足音である。
志布志市 若宮庸成 2017/3/9 毎日新聞鹿児島版掲載
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