はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

花見で同期集う幸せ

2017-03-19 23:42:55 | 岩国エッセイサロンより
2017年3月15日 (水)
   岩国市   会 員   山本 一

 岩国市は錦帯橋の桜があるせいか、花見の盛んな所と勝手に自分で思っている。日記で確認すると、昨年は6回も花見をしている。
 あたかも虫に合わせるがごとく、毎年啓蟄の頃、幹事役の私が花見の連絡をする仲間がいる。
 昭和30年代に、岩国・大竹石油化学コンビナートができた。その一角にできた工場の第1期生として、1961年に入社した。
 まだ工場が完成していないため、同期入社の約20人が丸1年間、新潟県の工場で実習した。全員が寮生活で寝食を共にし、親から離れた開放感も手伝い、忘れられない青春の思い出となった。
 仲間意識が強く、お互い今も呼び捨てである。退職後も「36会」と称し、年に何回か飲み会をしている。花見はその中のメイン行事である。
 山陰育ちが妻に引つ張られて、岩国をついの住まいと決めた。当地の春は錦帯橋と桜のせいか、とりわけ居心地が良い。今年も花見で酒が飲める幸せをかみしめたい。 

    (2017.03.15 中国新聞「広場」掲載) 

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