はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

あの声はどこへ

2021-12-06 22:03:12 | はがき随筆
 早いもので鹿児島に移住して20年あまりの歳月が流れた。いろいろあったが、意外と気付き難いのが環境の変化で、子供の姿を見掛けなくなった。それと歩調を合わせるように空き家が増えた。新聞やテレビで見る限界集落はほとんど山奥にある話で、僕の今の環境とは結びつかない。しかし、確実に子供は減っている。姿もそうだが、声が聞こえない。話し声、叫び声、泣き声、何でもいい。子供がいて、親がいて、老人もいるのが社会のバランスと思うが、僕の周りでは完全に崩れてしまった。寂しいというより、国の衰退を見ててるようだ。
 鹿児島県志布志市 若宮庸成(82) 2021.12.4 毎日新聞鹿児島版掲載

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