今年は節電の夏だ。節電といえば昭和20年の夏を思い出す。
連日の空襲で夜は灯火管制が敷かれ真っ暗だった。裸電球に黒の蛇腹を付けていたので更に暗かった。停電もしょっちゅうで「あっ、また停電」と突然消えた。電気といえば裸電球があるだけだった。家族は狭い部屋で暗い灯の下、代用食の夕食を取っていたが、家族の楽しいだんらんがあった。
戦争が終わって灯火管制も、蛇腹もなくなって、輝く裸電球がまぶしかった。
節電の今、生活は豊かになったが、裸電球で停電の多かった夏がなつかしい。
出水市 畠中大喜 2012/8/8 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます