はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

幼子のように

2018-08-03 14:58:19 | はがき随筆
 
  
 いつになく朝、目覚めて外へ出ると朝焼けの瞬間だった。緑の水田が彼方まで広がり空気がひんやりとして清々しい。それが良かったのか、居間へ戻るとしばらくして東側の床の間の4枚の障子に朝日が当たり、そこに庭のもみじの木が映し出されてまるで影絵のようだ。さらに隣の水田のみなもが反射して光がもみじの影と美しく調和している一瞬、木から神々しい輝きを発しているようにみまがう。今まで、気にとめる事もなかった。忙しかった子供たちの弁当作りも遠い夢のようだ。今私は仁時間の束縛もなく幼子の歩みのように朝を楽しむ。
 宮崎県都城市 蔀なおこ(56) 2018/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載

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