冬季サークルが終わり戸外に出た。友が近寄り、元気ですかと声をかけられた。おかげさまで元気よありがとう。
友は「親を介護している」と淡々とした口調で言う。食事やもく浴などを何度も要求し、夜は徘徊し汚物をつかんで壁になすりつける、手の施すすべもない。友は親の美醜の情景をジェスチャーで表現した。
介護の日々に骨が折れると骨身に染みた。いばらの道を踏み越え蛇行し、皆、看病した。暗くて長い隧道をさまよい、そのあかつきには未来のまぶしい朝日が生まれる。前向きにどんと生き抜いて。
鹿児島県姶良市 堀美代子(75) 2020/4/29 毎日新聞鹿児島版掲載
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