はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

黒いダンゴ

2014-11-01 07:23:31 | はがき随筆
 半袖から長袖へと服を替えだすと思い出すダンゴ。十三夜の月見団子ではない。
 祖母は夏の盛りには、黒い泥の団子遊びをしていた。小さな私には、そのように見えた。近所の炭屋から頂いた木炭や石灰の粉に、つなぎようのふのりを入れて丸め、豆炭を作っていた。
 むしろに並べて天日干しに。きれいな球形の中に円盤状の物も。私の作品だ。「あの形はバアちゃんにしかできんよね」。手先の器用な母も脱帽の丸さ。
 秋から、自家製豆炭で七輪に火をおこす。独特の臭いがしたが着火は早い。少し寒くなると、この火の温かさが懐かしい。
  鹿児島市 高橋誠 2014/10/27 毎日新聞鹿児島版掲載

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