「おお、来たなア」と84歳のKさん。いつも笑顔で迎えてくださり、ヘルパー冥利に尽きる。
奥様を亡くされ、1人暮らし。折々に娘さんが好物を携え、訪ねて来ると笑みがこぼれる。経済的不安もない。
だけど寂しい。「誰か、いない?」といつもの冗談。「いませんねぇ」と、ふざけて首を振ると「ワッハハ」と笑われる。
1人の夜の孤独は否めず、その気持ちはよく分かる。施設にいる義母も、そして母、いとおしい家族もだんだん遠くなる。しんしんと更ける秋の夜は、母の顔やKさんの寂しげな笑顔が交錯し、愁いは尽きない。
出水市 伊尻清子 2014/10/26 毎日新聞鹿児島版掲載
奥様を亡くされ、1人暮らし。折々に娘さんが好物を携え、訪ねて来ると笑みがこぼれる。経済的不安もない。
だけど寂しい。「誰か、いない?」といつもの冗談。「いませんねぇ」と、ふざけて首を振ると「ワッハハ」と笑われる。
1人の夜の孤独は否めず、その気持ちはよく分かる。施設にいる義母も、そして母、いとおしい家族もだんだん遠くなる。しんしんと更ける秋の夜は、母の顔やKさんの寂しげな笑顔が交錯し、愁いは尽きない。
出水市 伊尻清子 2014/10/26 毎日新聞鹿児島版掲載
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