「俊ちゃん」で始まる友からの便りが届いた。ふるさと宮崎を離れて熊本で暮らす私を、この地で「俊ちゃん」と呼ぶ人はいない。この一言でジーンと胸が熱くなる。
先月、「友への便り」としてはがき随筆にわが家の庭の花たちのことを書いた。それを読んで、スイートピーや金魚草の花が大好きだった父親の「思い出の花」であると綴ってあった。
私も花を見ると、その花を好きだった人を思い出す。子や孫はどの花で私を思い出してくれるだろうか。桜の散った庭に立ち、行く先を思う友からの便りであった。
熊本県宇土市 岩本俊子(70) 2020/5/19 毎日新聞鹿児島版掲載
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