子どものころ、近くの海によく釣りに行った。道具は小さい竹に木綿の糸と小石と針をつけたものだった。餌は足もとの小さい巻き貝を割って使った。魚はシンニョンクロと呼んで黒い小さな魚で目と口が大きくハゼに似ていた。潮が引いた後の潮だまりが釣り場でわらぞうりを履いて行った。「ドボン」と投げて手前に引くとググッときた。ぶら下がってはねていた。何匹も釣れた。えらから口へ針金を通して持ち帰った。母はみそ汁に入れてくれた。出しがでてよいタンパク源だったのだろう。今、そのあたりは住宅が並んで昔の面影はなくなっていた。
出水市 畠中大喜 2011/12/14 毎日新聞鹿児島版掲載
出水市 畠中大喜 2011/12/14 毎日新聞鹿児島版掲載
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