はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

不思議な寂しさ

2018-05-24 18:39:27 | はがき随筆
 娘がニャーニャー甘えるアシュに言っている。「まだお食いあそばすの、ハイハイ」。吹き出してしまった。「お食いあそばす」とは。学生時代、土日曜ごとに帰ると猫たちとの珍問答が始まるのだった。卒業して働き始めると仕事柄たまにしか帰らず、猫たちも次々土にもとっていった。
 いま一人、不思議な寂しさをおぼえる。祖母の言葉をなぞってみる。「良カトゼンネサガシモサオ」「良い寂しさがする」。暗くない、ときめきささえ隠れている寂しさ、これだ! ユニークな鹿児島弁をそっくり生きていることに気がついた。
  鹿屋市 伊地知咲子  2018/5/22  毎日新聞鹿児島版掲載

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