私は俳句も短歌もやらないが、高校で学んだ中には好きなものがある。その一つが藤原敏行の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」という、立秋の日に詠んだ歌である。暑さの中にふっと秋の気配を風に感じた歌である。夏休みの立秋にこの歌と同じ感覚を感じ感動し、それ以来立秋の風を楽しみにしてきた。
しかし例年にない今年の猛暑。立秋の風はないなとおもいつつ、朝10時過ぎ屋根つき物干し台に出ると、何と昨日まで感じなかったひんやりした風がスーッとと。あったあった、立秋の風が今年もあったと嬉しくなった。
熊本県八代市 今福和歌子(72) 2022.8.16 毎日新聞鹿児島版掲載
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