「彼岸の風」
かなたに阿久根大島を望み、こなたにヒガンバナやコスモスが咲き誇る畑の片隅。
ここは私の天国である。
草刈りを終え、お茶を飲み、長椅子に横たわる。
心地よい疲れに、いつしかウトウトする。
ペットボトルの風車が急に回り始め、目が覚めた。
「あ、千の風さん。いらっしゃい。私よ、私」
27年前、彼岸の中日に旅立った夫はどこ? 風は「こんなおばさん知らないよ」と言わんばかりに、涼やかに過ぎていった。
阿久根市 別枝由井(67) 2009/9/20 毎日新聞鹿児島版掲載
かなたに阿久根大島を望み、こなたにヒガンバナやコスモスが咲き誇る畑の片隅。
ここは私の天国である。
草刈りを終え、お茶を飲み、長椅子に横たわる。
心地よい疲れに、いつしかウトウトする。
ペットボトルの風車が急に回り始め、目が覚めた。
「あ、千の風さん。いらっしゃい。私よ、私」
27年前、彼岸の中日に旅立った夫はどこ? 風は「こんなおばさん知らないよ」と言わんばかりに、涼やかに過ぎていった。
阿久根市 別枝由井(67) 2009/9/20 毎日新聞鹿児島版掲載
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