ワレモコウ 2008-11-01 12:19:43 | はがき随筆 ワレモコウが咲いた。 生け垣の根元に、ひっそり咲いた。 鉛筆のしんのようにほっそり伸びた枝先の、暗紅色のだ円形の花は、控えめで地味で目立たない。けれど「我も亦紅なり」 と、いちずに咲いた。 秋の深い心をまとった人のように咲いた。 いつの秋も、ワレモコウは私をとめかせる。 思い出せない思い出を、長い間さがし続けているのだけれど、それらしきものの影が、わたりをよぎる予感がして……。 鹿屋市 伊地知咲子(71) 2008/10/31 毎日新聞鹿児島版掲載 « 随友とのひととき | トップ | 足を知る »
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