はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

王子とツバメ

2007-07-01 16:03:40 | はがき随筆
 ツバメが巣作りを始めた。4日ほどで完成。抱卵に入ったようで常に1羽が巣に残る。その日も姿を確認して日課の散歩に出た。散歩の最後は海岸線を2㌔戻って我が家である。
 戻り始めた時、私を追って土手を駆け上がる二つの黒い塊。まだ捨てられたばかりの小犬。追い払うが必死についてくる。振り払おうと小走りに逃げるが、短い足でこけつ転びつついてくる。いじらしさを見てしまう。
 こうなるとこっちの負けである。とうとう家まで来てしまい、置いてやるより仕方がない。王子にあやかって名前は遼太郎と佑次郎。
   志布志市 若宮庸成(67) 2007/6/28 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
優しい (ロードスター)
2007-07-02 13:34:27
このエッセイ何度も読ませてもらいました。
子犬が短い足でこけつ転びつついてくる情景が目の当たりに見えてきます。でも優しい人でよかったですね。動物の無邪気さに、私はかないません。
返信する
ホントに優しい方なんです (アカショウビン)
2007-07-03 17:01:24
ロードスターさま ようこそ
毎日じゃれ合ってるようです。
先住ネコの千代美(チョビ)にヤキモチ焼かれながら…。
ネーミングもいいでしょう。
返信する

コメントを投稿