3年前の春。母は、木市で富有柿の木を買って来た。たい肥や油かすをまき、手入れに余念がない。
当時の母は84歳。まだ、8年も持つつもりか。いや持つまいよ。ご近所スズメのやかましいこと。果ては、柿が先か命が先かと、かけがおっぱじまる始末である。 5月の中旬に、愛らしい柿の実に気付いた母は、お祭り騒ぎ」だ。柿に我が命が勝ったと、会う人ごとに吹聴する。
その朝からと言うもの、母は仏壇に経を唱える。「台風が来ませんように」と。桃栗三年柿八年は、まゆつばものらしい。
出水市 道田道範(59) 2009/6/25 毎日新聞鹿児島版掲載
当時の母は84歳。まだ、8年も持つつもりか。いや持つまいよ。ご近所スズメのやかましいこと。果ては、柿が先か命が先かと、かけがおっぱじまる始末である。 5月の中旬に、愛らしい柿の実に気付いた母は、お祭り騒ぎ」だ。柿に我が命が勝ったと、会う人ごとに吹聴する。
その朝からと言うもの、母は仏壇に経を唱える。「台風が来ませんように」と。桃栗三年柿八年は、まゆつばものらしい。
出水市 道田道範(59) 2009/6/25 毎日新聞鹿児島版掲載
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